夫婦と不倫の愛のカタチ

あなたの指先が私に触れる、抱かれたい気持ちなど少しもないのに…。

欲望のおもむくままに私を激しく揺さぶる、そしてあなた一人が絶頂へと
舞い上がり、私の体の中へ熱い迸りを流し込むと心のない人形を抱いたか
のように私の体から離れて、黒い茂みの奥へとティッシュを押し付けて、
背中を向けて眠りに落ちていく。

私はあなたのなんなの？一人で満足しないで、愛が欲しいの…優しい愛が
二人が初めて出会った時、二人の間にはお互いを理解して、尊重しあって
確かな愛情があったはずなのに、今のあなたに感じられるのは数日置きに
溜まった欲望を私の中に吐き出すためだけの冷たい性欲。

まだ見ぬあなたの指先が、全く触れてもいないのに私の気持ちは昂る。
私に対する愛情が欲情にかわったとしても、あなたの慈雨か私は欲しいの
あなたを愛してる、私はあなたの愛があればそれだけで満足なの。

愛してる、そしてあなたの愛も感じるの、二人の出会いは全くの偶然の中
それでも心が繋がって、確かな絆を感じてるから…。

淡い恋心と危険な下心だけだったはずの二人なのに、今のあなたから強く
感じられるのは私を心から愛して、乾いた心と体を満たす温かい愛情。

愛されたいのに、愛してもらえないもどかしさ。
愛されたくないのに、夫婦というカタチであるために体を開く現実。

二つの愛の間で、乱れる心と体。
愛情のない結婚のカタチ、愛情あふれる婚外恋愛のカタチ。
一枚の紙に縛られた私には、愛することも、愛されることも難しいこと。

そして、ただ虚しい毎日が過ぎていく…。

男と女…―セックスをめぐる五つの心理 亀山 早苗 by G-Tools

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